15/10/2026
一つの石に、なぜ二つの顔が刻まれたのでしょうか。
本日のNHK「あさイチ」で、飛鳥おもいで堂の二面石フィギュアをご紹介いただきました。私も少し出演させていただきました。
ご覧くださった皆さま、ありがとうございました。
番組では「石がちゅーしている」という、親しみやすい言葉で取り上げていただきました😊
その姿に私が感じた物語を、こちらでも少しお伝えしたいと思います。
奈良県明日香村、橘寺にある二面石。
人の心の「善」と「悪」を表すと伝えられています。
その教えを大切にしながら、形をつくる者として私が心をひかれたのは、異なる二つの顔が、一つの石の中にともにあることでした。
私には、その顔が年老いた男女にも見えます。
模型を二つに分け、向かい合わせると、老夫婦がそっと口元を寄せ合うような姿が現れます。
「あなたと生きてきてよかった。」
私は、その姿に、長い年月をともに過ごした相手への感謝を感じました。
喜びも悲しみも、受け止め方はそれぞれ違う。
時には、別の方向を向くこともある。
それでも、互いを慈しみながら、ともに生きる。
フィギュアを二つに分かれるようにしたのは、顔の向きやつながりを自分の手で確かめ、古代の作者が込めたかもしれない思いを想像したかったからです。
さらに、同じ模型を8体、輪につなぐと、中央に八角形のような空間が生まれます。
二人の親愛が、隣へ、そして全体へ。
その姿には、人々の「和」へと広がる物語を感じます。
聖徳太子の「和を以て貴しと為す」にも思いを寄せながら、二面石の造形を見つめています。
これは、作者の意図が解明されたというお話ではありません。夫婦や接吻、輪の意味は、制作を通して私が抱いた解釈です。
二面石を眺めながら、大切な人と歩んできた年月や、これからの日々に思いを寄せていただけたら、うれしく思います。
参考:飛鳥観光協会「二面石」
※画像は現代の模型をもとにしたイラストです。正八角形であることや、古代の配置を確認したものではありません。
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