14/08/2026
お盆でございます。(写真は今年6月のトヨノホシ、岩戸の景観)
うちは神徒でして、仏壇はございません。
酒蔵は神従が多く、仏壇と両方のある蔵元さんがほとんどです。
お盆、祖霊舎(それいしゃ)に、御神酒をお供えします。
「ご先祖さま、どうぞ」
……減りません。
そりゃそうです。
うちのご先祖さま、みんな飲めなかったらしいです。
明治三十七年から三代酒、二代焼酎を造ってまいりましたが、
造ってる本人たちが、そろって飲めない。
何を造っとったんでしょうか。
ただ、裏を返せば。
自分が飲めない酒を、五代にわたって造り続けたわけです。
全部、誰かのためだったということになります。
さて。そのご先祖さまに、ご報告がございます。
牟禮鶴の麦は、四年前から全量大分県産の「トヨノホシ」で製造させて頂いてます。
一部ではなく、全量。そろそろ、はっきり申し上げてもいい頃かと思いました。
この麦の誕生には、大分県の研究員さんの血と汗の努力
10年の歳月が費やされています。
頭があがりません。
農家さんには「たくさん穫れる麦がいいなぁ」
精麦屋さんには「削っても割れない麦がいいなぁ」
蔵元は「麹がよく入る麦がいいなぁ」
……みんな、違うことを言う
それを全部聞いて、掛け合わせること八通り、候補の麦が千八百。
その中から、たった一つ。十年もの時間。
赤ん坊が、小学校を卒業する歳月でございます。
農家が喜び、精麦屋が喜び、蔵元が喜ぶ麦です。
「で、飲み手は?」
……そこは私が、責任を持って確かめております。
しかも弊社の麦を育てて下さるのは、同じ豊後大野のグリーン法人 中野さん。
同じ市の畑で、同じ市の人が育てた麦です。
研究員さんが十年あまりかけて生み、
中野さんが畑で育て、
蔵が仕込み、
私どもが心から尊敬し、信頼する特約店さんが、お客様の手にお渡しくださる。
ひと粒の麦で、いろんな方がきっと笑顔になれる。
飲めなかったご先祖さまに代わりまして、私が味を見ております。(当主でなく、嫁が)毎晩。
直会(なおらい)です。れっきとした神事でしてと言い訳しておきます。
にしては、減りが早い。
今年のお盆も、牟禮鶴を選んでくださって、ありがとうございました。
お求めは、私どもが信頼する特約店さまへ。