23/08/2026
再投稿です。文書が切れたため
16年間天穏を造り続けた小島杜氏が
R7BYをもって板倉酒造を退職されました。
小島杜氏が天穏の杜氏として歩んだ11年。 ご縁があって私は、
その1年目から小島杜氏の酒を扱い、飲んできました。
だからこそ、最後にひとつ、私が感じてきた「天穏」という酒について書いてみたいと思います。
天穏は、飲んだ瞬間に「わぁ!」と心を掴む酒とは、少し違うと思っています
華やかな香り。はっきりとした甘み。
力強い旨味。
飲んだ瞬間に、
「わぁ、華やか」 「美味しい!」
「こんな味、初めて!」 「これは好き!」
そんな驚きや高揚感を与えてくれる酒があります。
それは、香りや味わいが強く印象に残り、感覚を刺激して、心を動かす酒。
一方で、天穏は少し違う。
清らか、涼やか。
青い香りがふっと抜け、淡く繊細なのに、どこか密度のある旨味がある。
そして、スゥッと身体に入ってくる。
すると、不思議と、
緊張がほどける。 気持ちが静まる。
身体の力が抜ける。
そして、自然ともう一杯飲みたくなる
私は、そんな酒だと思っています。
天穏は、「人を惹きつける酒」という
より 「人の心をほどく酒」。
一瞬の驚きや「美味しい!」という感動だけではなく、
その人の時間に。その人のいる空間に
静かに寄り添っていく酒。
料理があり、人がいて、会話があり、
音があり、その場に酒がある。
そんなすべてがひとつになって、
穏やかな時間が流れていく。
「飲み続けていると、なんだか心が穏やかだなぁ。」 私は、
それが天穏の酒なのだと思います。
「穏やかな味の酒」ではなく、
「穏やかな時間をつくる酒」。
だから私は、小島杜氏が11年間造り上げてきた天穏を、「心を掴む酒」では
なく、「心をほどく酒」として、
皆さんに伝えたい。
その、すでに