
17/07/2025
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号外!■新着案内■ 日本酒 ~その2~
伝統的な手法が実に理に適ったものであることを確信し、お米の品質や仕込み期間中の気候など年どしの個性を尊重しながら、自然の流れに添うような造りを心掛ける…。酵母無添加、そして基本温度管理もしないという自然任せな手法を採用しながらも、安定したクオリティと“滲み出る”個性を両立させてしまう…よくよく考えたら、そんな一筋縄ではいかないことを当たり前のようにやってのけてしまうからなのか、プロダクトがあまりにも普通にきっちりしているから、その特異性/唯一無二性に思い至れないのか…。
ヴィナイオータが取り扱うワイン&ビールの造り手にも同様の事が言えるのですが、真っ当な考えから生まれた真正なプロダクトが、世の中で不当なまでにマイナー扱いされるのはちょっと違うと思うのです。「おいオータ、お前の言う“不当なまでに”とは何を指すんだ?」と問われたのなら、「造り手が1シーズンに無理なく生産できる量が、無理なく売れていく…が実現していない状況」と答えると思います。職人のつくるプロダクトは、工業製品ではありませんから生産量に限界があります。彼らが1年の営みの中で生産できた量と売れる(=飲まれる)量がほぼ一緒であったのなら、これ以上にハッピーなことはないわけです。
オータは、オータが関わる全ての造り手たちが、彼らの目の色が黒いうちに「いやぁ、俺の酒、みんなに愛飲されちゃってんなぁ!」と思え、ある種の報いのようなものを感じてもらいたいと願っていますし、その実現の一助となることこそヴィナイオータの存在意義だと考えています。
そういった意味でも、もっともっと石川杜氏のことや杜氏のお酒の事を知ってもらいたいでっす!
令和6年度仕込み分についてですが、チヨニシキも渡船も醗酵自体も物凄くスムーズ&スピーディに進んだというのがあるからか、味わい的にもすでに整っているというか、とても外向的な気がします。
そして超限定生産のスペシャルなお酒のご案内も!
チヨニシキのお酒の量があったこともあり、前々からアイデアにあった杉樽でしっかり熟成させるというのをお願いしてみることに。日本では熟成目的というよりは輸送目的で使われてきた木樽ですが、樽に詰められてから樽を開けて消費するまでに数か月くらい経つこともあったでしょうから、そんな変な事ではない気もしましたし、きっちりと醗酵し切ったお酒を木樽という酸化的熟成容器に寝かすことで、ヘタレるどころかさらにいい感じで成長してくれるのでは?といった予想がオータの中にありまして…。
以下、裏ラベルにもある石川杜氏のコメントです。
「太田社長からヴィナイオータ生酛の樽酒のオファーがあり、樽の中で長く貯蔵してみたいと言われて驚いた。月の井の樽酒の場合、樽に詰めるのは数日くらいだし、それ以上長く置けば、香りがつき過ぎてしまう。しかし、太田さん曰く「ワインも、中途半端じゃなく長く置くことで香りは落ち着く」と。そして、半信半疑ながら二ヶ月置いてみた。樽から出した酒を口にしたとき、‥‥私は知らない世界の扉が開くのを感じざるをえなかった。」 石川杜氏にこんな風に言ってもらえるだなんて…そりゃもう会心&快感なオータです(笑)。
樽香に関しては、樽に入れたてのワインの方が樽香に支配されてしまうのに対し、樽で熟成させればさせるほど樽香が穏やかになる(馴染む?)という実体験があったので、あまり心配はしていませんでした。
一斗樽で2つ分仕込んでもらったのですが、瓶詰は全てオータと石川杜氏で手詰めしました!。ビン詰め作業自体は午前中で終わり、「皆さんお疲れさまでした!」となるのかと思っていたのですが、杜氏を含め蔵の人たち皆がまだ仕事が完了していないオーラを醸し出していることに気が付いたオータ、杜氏に聞いてみると…。
杜氏「午前中の仕事をこれで終わりにして、昼食後に瓶燗(火入れ)をしようかと。」
オータ「え?火入れですか?それってやっぱりしなきゃダメですかね?」
杜氏「いやまあ、まだ生酒の状態ですし、こちらとしてはてっきり火入れするものと思って準備していたのですが…。」
オータ「なるほど~。でも石川さん、味わい的には無茶苦茶安定している気がしませんか?」
杜氏「確かに…。まあこちらとしては、仕事が一つ減るわけですから、その方が楽っちゃあ楽なわけですが(笑)。」
オータ「じゃあ、それで(笑)!」
自画自賛はしない方だと自認していますが、オータ的には、このお酒を生酒のままにしたことは、ファインプレーだったと思っています!お持ちの方は是非とも樽熟成を施していないチヨニシキの生酒と飲み比べてみてください。ノーマル生酒よりも樽熟成の方が、より削げていると言いますか、大人びていると言いますか…サイコーです!
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