18/08/2026
テイスティング技術向上セミナー
第93回「新規蒸溜所のその後を探る」
20260808.09
スコットランドでは2010年頃から新しい蒸溜所が数多く設立されてきた(日本は2016年頃から)。
これは世界的なウイスキーブーム、とりわけ中国をはじめとするBRICSなどの新たなマーケットでの消費が増大したことによるだろう。
またそれまではエドラダワー蒸溜所のスチルサイズ2000ℓを最小とする内規?があったが、2013年設立のストラスアーンSTRATHEARNがそれよりも小さなスチルで認可を得たのも大きい。これにより大資本ではないマイクロ蒸溜所も参入できるようになった。
新規蒸溜所設立から10数年、これらの蒸溜所から年数表記ボトルがリリースされはじめた。定番の物もあれば、スモールバッチなどの限定品もあるが、ある程度その蒸溜所のスタイルを表現しているのと考えられるだろう。以前このセミナーなどで取り上げた3〜5年熟成品と比較して、どのように変わってきたのかテイスティングを行った。結果、当初とあまり印象の変わらない蒸溜所、方向転換したのかと感じる蒸溜所、よりふくよかになり今後が楽しみな蒸溜所など、様々。やはり経験豊かなスタッフを招聘した蒸溜所のウイスキーは楽しめる、当たり前ではあるが……。
以前、個人的にお世話になったWOLFBURNについて。ウルフバーンは2013年に蒸留開始。3年後に「HAND CRAFT」(のちに「NORTHLAND」)をリリース。クォーターカスクにより、熟成感と柔らかいピート感を付加し、若いがバランスよく楽しめるボトルに。
蒸留開始から10年目に「10年」をリリース、こちらはシェリー樽原酒主体でピートはあまり感じない。もともと目指していたのはこのスタイルとのこと。初代の所長は元グレンファークラスなどでキャリアを重ねていた方なので、なるほど納得。今回の「12年」は、よりふくよかであり、更なる熟成も楽しみなボトルだった。
一方、程よいピートを楽しめる「NORTHLAND」はなくなってしまうのだろうか、少し心配ではあった。今回「NORTHLAND8年」がリリースされ、シェリースタイルとの二本柱で行くのかと安心。
ウルフバーン蒸溜所はしっかりと生産や品質の管理を当初から長いスパンで計画し、それを着実に遂行している稀有な蒸溜所である。引き続き注視して行きたい。